鵜飼と言えば長良川、その観光的要素が目についてあまり調べてみる気にもならなかった。それが神保町の古本屋で100円本の中から「鵜飼」の文字を見つけてつい買ってしまったのが、これである。これがなかなか面白い、中国、インド、エジプトにも起源がたどれる鵜飼はやはり稲作とともに入ってきた。そして魚をとる手段として始まり、天皇家、貴族へのアユの貢ぎもの。そしてこの特権階級での遊技としての鵜飼から現在の観光鵜飼へと通じている。そんな表面的な歴史だけではなく常民による鵜をヒモでつないで歩きながら魚をとるもの。当然のことだけれど食料としての魚をとる鵜飼が日本各地で行われていたことなど、資料としても持っていたい本である。
中公新書 定価200円 1966年
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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