『南総里見八犬伝』の作者・滝沢馬琴、義理の娘・路は詳細な日記をつけていたので有名である。それが江戸の町民、ご家人といった庶民の暮らしの貴重な資料でもある。この本の素晴らしいことはその膨大な日記内の実生活に関わる部分にスポットを当てたところである。滝沢馬琴は18世紀から19世紀の江戸文化の最盛期を生きた人であり、人気作家であった。当然庶民よりも贅沢な暮らしぶりではあったろうが、身分は町人、そしてご家人(身分の低い侍)である。その祝儀での魚(お祝いとしての)のやりとり、また病人食、歳時などポスイットが増えて困るほどである。魚貝類や歴史が好きなら必読書。資料性も高く、これを新書として出版してくれたことに感謝したい。
中公新書 780円 2003年
ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑へ
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もっと早く読めばよかった 『鵜飼』可兒弘明
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