今、作家は数あれど吉川潮は、ぼうずコンニャクにとっての王様、これ以上ない存在だ。まったく空振りがない。読むのが惜しいくらいに面白い。今回も神保町三省堂で見つけた時はうれしかったね。柳家三亀松という名もしらぬ芸人ではあれど、吉川潮が取り上げたというだけで音曲師の芸を見てみたいと思ったぐらいだ。柳家三亀松は昭和40年代になくなり、その芸の最盛期は昭和30年代には終了していた。ということで一度もテレビなどで見ていないのだけれど、昭和を代表する芸人の一人である。今では「さのさ」や「都々逸」、「漫談」などは忘れ去られようとしている。だが戦前戦後を通じて音曲師は間違いなく多大な人気を博していたのだ。なかでも柳家三亀松はその最たるもの。木場で生まれた生粋の江戸子が大阪吉本のカンバン芸人となり、また戦後も人気は衰えない。その華やかで奇矯な人生の涙有り、感動有りの面白いこと。
新潮文庫 629円 2003年
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